おねだり
「ネジ兄さん、大好き!」
「なっ・・!!!!!」 愛らしい微笑み、白い肌、藍色の艶やかな髪がさらりと揺れる。 ネジの愛する少女ヒナタ様がネジへと唇を寄せてくる。 (ヒ、ヒナタ様〜!!!) ネジの頭の中は真っ白になった。 「んっ!」 重なる唇。熱い吐息。至福のひと時。 「はあっ・・・。」 きゅっと二人抱き合い頬をすり寄せる。まだ呼吸が乱れていた。 「ヒナタ様からこんな大胆なキスをされるとは・・」 頬をうっすらと染めてネジは溜息を零す。幸せに酔いしれているようだった。 「だ、だって・・わたし・・あなたが大好きだから・・っ。」 もじもじと恥ずかしそうに俯くヒナタ。今頃照れ始めるなんて可愛いなとネジは微笑した。 「ところで、あなたの方からキスをするという事は・・俺に何か頼みでも?」 「えっ・・。」 どうして分かったの?という顔をするヒナタにネジは苦笑する。 「あなたがこんな大胆になるなんて、何か頼み事がある時位だろう?」 (いつもは恥らって逃げようとするくせに。) 「う、うん。あ、あのね、明日、ネジ兄さん非番でしょう?だ、だから一緒にお買い物に行って欲しいの・・・。」 「えっ?」 「だ、だめかなあ?」 ネジ兄さん、修行の妨げになるような事は嫌がるから・・、とヒナタは小さく呟いた。 俯くヒナタには見えなかったがネジは思い切りニヤついていた。 「つ、つまり、あなたはこの俺とデートがしたいと?」 「え?あ、うん・・」 赤くなりながらヒナタが顔を上げた。ネジはすかさず唇を奪う。 「んんっ!」 さっきより濃厚なキス。ネジは嬉々としてヒナタの唇を貪った。
舌を絡め何度も角度を変えてヒナタを愛する。
「はあっ!」 漸くネジの熱いキスから解放されてヒナタは大きく溜息を吐いた。 快感の余韻にまだ小さく震えているヒナタをネジは優しく抱きしめる。 「ヒナタ様は可愛いな。俺を喜ばせるなんておねだりにならないだろう?」 「えっ?じゃ、じゃあ・・!」 「ああ、たまには修行を休んでもいいだろう。明日、一緒に出かけよう。」 フンと鼻を鳴らすネジにヒナタが微笑んだ。
花が一気に咲き零れるようなその愛らしい笑顔にネジは目を奪われる。
そして本日3度目のキスを交わすのだった。
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