旅立ち前夜
ネジはナルトと一楽にいた。
「そうか、明日旅立つか。」
「おうっ!しばらくは会えなくなっけどさ、ネジもヒアシさんに修行付けて貰ってんだろ?
俺もエロ仙人に修行付けて貰って強くなんねえとよ!負けられねえってばよ!」
「・・長くなるのか?」
「ああ、当分は木の葉にはもどれねえってばよ。」
「サクラとはもう会わないのか?」
「ああ、サクラちゃんも修行に忙しいしな。」
「ナルト、お前はサクラ以外の女は目に入らないのか?」
「もちろん!!俺はサクラちゃん一筋だってばよ!」
思わずネジの口元が綻んだ。ネジの心の中で何かが安堵していた。それは歪んだ恋心で・・。
「それより、お前ってば、ヒナタと仲良くしてやってんのか?」
唐突にナルトが話題を変えてきた。
内心ナルトがヒナタに関心でも抱いているのかとネジは危惧したが顔には出さずに答えた。
「ああ、ヒナタ様には謝罪して普通に接している。」
「よかったってばよー。お前ら同じ一族だし心配だったんだ。
まあ、俺から見てもお前ら似合ってるし。どうだ?いっそこのまま結婚しちまえってばよ!!」
ナルトは冗談まじりにそういうとニシシと悪戯っぽく笑った。
ネジは柄にもなく顔を火照らせてしまった。
「ば・・馬鹿をいうな!!なにを・・・」
珍しく狼狽するネジにナルトは目を瞠る。
「まじかよ?クールで天才のネジがあの地味でウジウジしてて暗いヒナタを?」
「ヒナタ様は暗くなんかない!優しすぎるだけだ!!」
カッとネジは怒りに燃えてナルトの胸倉を掴んだ。
「悪かったってばよ!!じょ・・冗談だってば!!」
ほーっと息を整えてナルトはネジに目をやる。
ネジはまだ怒っているのか頬を紅潮させていた。
「どうしてヒナタ様はこんな奴に・・」
ブツブツと小声でなにやら呟くネジにナルトは笑顔を向ける。
「ヒナタってば、最初ほんとに暗くて変な奴だと思っていたけど、いい奴だって俺にも分かってきたってば。
あいつは優しいし芯も強いし最高だってば。」
「な・・なに!」(まさか、惚れたんじゃなかろうな!!)
「ネジの嫁にぴったりだってばよ!応援してるからな、お前も頑張れってばよ!」
「!!!」
次の日、ナルトの見送りを余裕でヒナタに薦めるネジの姿があった。
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