誕生日(ヒナタBD小話)
今日はヒナタの誕生日だ。12/27。年の暮れ、任務も今日はなかった。
俺はこの日の為に用意したプレゼントを手に道を急いでいる。
(ヒナタ・・早く会いたい・・)
高鳴る胸。俺の愛しい恋人。想いが届いて結ばれてから3度目の彼女の誕生日。
今年はこれを贈ると決めていた。
視線の先、いつもの場所に彼女は立っていた。息が白く彼女の愛らしい唇から吐き出されている。
(寒かろう・・・。時間より早く来るなんて相変わらずなんて律儀な・・)
俺の視線に気づいた彼女が俯いていた顔を上げた。
「ネジ兄さん・・・」
恥じらいながら微笑んだその姿は花が咲いたようで俺は顔が熱くなった。
「待たせたな。すまない」
彼女の手をとり抱き寄せた。甘えるように俺に縋りつく彼女が愛しくて何度も口付けた。
「・・誕生日おめでとう。ヒナタ」
漸く唇を離し俺がそう囁くと彼女は潤んだ瞳で俺を見つめ、小さくありがとうと言った。本当に愛らしい。
「あなたにこれを・・。」
俺は懐から小さな小箱を取り出し彼女に差し出した。彼女は静かにそれを受け取り、俺を見つめる。
「開けてもいいの?」
俺は頷き彼女が箱を開けるのを待つ。
「あっ」
彼女は驚いて俺を見て、そして又箱の中身に視線を落とす。
俺は焦る彼女に向かい、長年の思いの決着をつけるべく強く言った。
「結婚してくれ。ヒナタ」
この人が18になったらそう言おうとずっと決めていた。
そして今日は彼女の18の誕生日。待ちに待ったその日。
「うれしい・・」
涙ぐむ彼女の肯定の言葉に内心ほっとしながら俺は彼女の指に婚約の証である銀の指輪をはめた。
「俺の全てをあなたに捧げるよ。ヒナタ・・」
誕生日おめでとう。
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